人間は正しく評価できない

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今回の話は、少し心理学的要素が大きい内容になります。

 

普段僕らが食べ物やサービスなどを「これは良いものだ」とか「これはよくないもの」だと判断するとき、そのものの味や機能性、サービスなどのそのもので判断すると思っていますよね 。

 

しかし、これは実際には、間違っているのです。

 

では、なぜそう言えるのか?

 

⒈価格と価値の関係

 

カルフォルニア工科大学の神経経済科学者のアントニオ・ランゲル教授の実験で、

AとBのチームに分けて被験者全員に同じワインを飲んでもらい、

 

 

Aチームには、「45ドルのワイン」だと伝え、

Bチームには、「5ドルのワイン」だと伝えます。

 

 

その結果、両チームに感想を聞くと,45ドルのワインを飲んでいると思っている人たちの方が、評価が高かったのです。

 

実際に、喜びと結びついている脳の部分も活発になっていた。という結果になったそうです。

 

つまり、

値段が安ければ安い受け取り方をし、値段が高ければ高いなりの受け取り方を人はするのです

 

 

ビジネスに応用するならば

 

提供する商品の質を高めれば高めるほど、価格設定は高くすることができます。

 

これを可能にしたのは、「リシャールミル」という機械式腕時計のメーカーです。

(リシャールミル)

 

高級腕時計の相場(ダイヤなどの特殊な宝飾をつけない)は最高にたかくても300万円ほどです。(世界三大時計東大言われているオーデマピゲ、パテックフィリップなど)

 

しかし、300万円レベルの商品を作ってもそういった世界で有名な時計メーカーには、勝てないと思ったリシャールミルは、3000万円で売れる時計を作ろうとしました。

 

そして、3,000万円で売れる時計として、全ての時計に、とても複雑な構造の「トゥールビヨン」を搭載させます。

 

しかも、重さが120gほどの時計、もっと軽いのは25gほどの時計を作りました。また、複雑構造の時計の弱点である「衝撃」を克服し、テニスをしても壊れない時計を作り出しました。

 

これは、業界では画期的なことでした。トゥールビヨンを搭載した時計は、拍手をするだけでバネが飛ぶと言われたほど、衝撃に弱く、スポーツで使うなどありえないものでした。

 

それを克服し、複雑でありながらも、特殊合金などを用いることで軽量化にも成功し、そして、1個2000万円以上の時計を販売したのです。

 

余談ですが、リシャールミルのすごいところは、すべてのモデルが300本や50本などの限定の商品なのです。なので、一番人気のモデルだと6000万円などのプレミアム価格になることもあります。これも一つの経営戦略です。

 

このリシャールミルが示すように、価格は一種の価値の感じ方の指標なのです。

これから学べることは、我々が消費者として、値段が高いから価値を感じているのか、それとも本当にそのものの真価を見ているのか判断が正しいかを意識することです。

 

そうすることで、無駄な支出が減り、散財をすることが無くなります。

 

また、物を売るマーケッターの立場から、なんでも安く安くしようとするのではなく、商品の値段設定を少し高めにして、価値をただしく評価してもらおうとする努力はしなければいけません。

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